【読書録】『貞観政要』
読んだ本
貞観政要 呉 兢 (著)
要点
・中心となるのは「リーダー論」
・人、組織を引っ張る!ということよりも、フラットな視点で部下の意見を聞くことがいかに大事かということを訴えている
・また臣下選びに際しても、自分(リーダー)にとって都合のいいことばかりをいう者だけでなく、時には厳しいことを指摘してくれる者をつけることが必要
・リーダーは自分の判断軸をしっかり持つこと。例えば、自分の気分次第で部下を叱ったり、誉めたりすることは、悪戯に組織を萎縮させてしまう。明確かつ明瞭な形で判断軸をもつべき。
・基本的にリーダーは「機能」であって、えらい人というわけではない。
・部下を信用して、リーダー自身は口や手を一切出すべきではない。部下の観点で、その者の力量で事を進めさせること、それを支えて、失敗した時にはそれをフォローすることがリーダーとしての機能で大事なこと。
・李世民も結局後継者選びには失敗してしまう...。自分の後釜を見つけるということがいかに難しいか、をエピソードをもとに語っている。
# 学び
・エンジニアという観点ではリーダーというより、マネージャーやリードテックみたいな言葉が近いのかなと思った。
・エンジニアマネージャーになると、自分の方がメンバーよりも技術に詳しい場面が往々にしてあると思う。その時に、マネージャー自らがメンバーより前に出て手を動かすことは、メンバーを信用していないことに近い。結果として、メンバーは「自分は何をしなくてもいいのか」となり、積極性が失われ、またチャンスも失う。
・エンジニアマネージャーの機能とは何か、ということを改めて考えるべき。これはそのチーム、事業、プロダクトによって様々。
・マネージャーとしての判断軸をしっかり持つこと。特に開発チームに対する判断を主観で行ってはいけない。ファクトをもとに良い/悪いを判断すること、が機能としても大事なこと。
・エンジニアチームの場合、技術力が高い人を多く集めることがある。一方でチーム・組織という視点は比較的薄いような気もする。それが必要かどうか、で言えば、個人的にはエンジニアチームにもチームワークはあるべきだと思う。
・エンジニアチームのチームワークに関しては、攻殻機動隊でいうところの「スタンドプレーから生じるチームワークだけだ」が近い気がする。
参考:https://note.com/naka_chance_4_23/n/n635e1a7da734